夏と言えば花火ですね。
家庭で楽しむ手持ち花火の中でも線香花火はどこか儚く、夏の夜長を照らし出します。
魅力いっぱいの線香花火ですが、実は手作りすることが可能です。
自分の手でオリジナルの線香花火を作ってみませんか?
線香花火の作り方は?鉄粉を使うと簡単にできる!
線香花火の歴史は江戸時代まで遡ります。
藁の先に火薬をつけ、香炉に立てて楽しむ姿が洛陽集に詠まれています。
立てた花火の格好が線香に似ていたため、線香花火と呼ばれるようになりました。
線香花火には2つの種類があります。
スポ手牡丹...藁の先に火薬を備えており、香炉に立てて花火を楽しんだ様子から始まったとされています。
火をつけると夏の夜を華やかに彩ります。
関西方面で線香花火と聞くとこの形をイメージする人が多いのではないでしょうか。
関西で農業が栄えていた頃、残った藁に火薬を塗り、作られていました。
長手牡丹...和紙に火薬を備え、地面に向けて垂らして火をつけます。
火をつけると小さな炎に美しい火花が散っていきます。
関東方面で線香花火というと、こちらのイメージが強いようです。
関西のように藁が豊富になかったため、和紙を利用したと言われています。
地域の文化が反映され、花火の形が変わるのはおもしろいですね。
・鉄粉を利用して、線香花火を手作りしてみよう!
紹介するのは、長手牡丹の形の線香花火です。
鉄粉があれば火薬を使わなくても簡単に線香花火を作成することができますよ。
難しくはないですが、火を使うので小さな子どもは保護者と一緒に作成しましょう。
鉄粉を吸い込まないように充分注意し、換気をしてくださいね。
薬包紙
鉄粉
ろうそく
ピンセット
水
鉄粉は購入できますが、スチール缶をヤスリでこすり作成することもできます。
チャレンジをしてみたい人はやってみましょう。
また、ろうそくはライターやチャッカマンでも大丈夫です。
水は火を使うため、バケツに多目に準備しておきましょう。
1.薬包紙を半分に折り、折り目に合わせて鉄粉を乗せます。多すぎると爆発する可能性もあるので、量には注意しましょう。
2.鉄粉が薬包紙からはみ出ないように4つ折りにします。折った薬包紙を捻じれば完成です。
3.ピンセットで摘み、火をつけて様子を観察します。
鉄粉の量によって上手く燃えたり、すぐに消えてしまったりと反応は様々です。
何度か試して、長く燃える鉄粉の量を探してみるのも楽しいかもしれませんね。
道具が揃えば作成できるため、手軽に実験をすることができますよ。
夏の風物詩をぜひ手作りしてみてくださいね。
花火屋の本気 超カラフルな花火
線香花火の作り方は色々!自由研究にも!
線香花火の作り方は鉄粉以外にも存在します。
夏休みの自由研究で悩んでいるのなら、本格的な線香花火作りに挑戦してみるのはいかがですか?
ここからは、こだわりの手作り線香花火の例を紹介していきます。
・何に焦点を充てて研究をするのか。
線香花火を作るのなら、火種にこだわっても良いですし、火種を包む媒体に注目するのもおもしろいでしょう。
成分の量が変われば火花の出方が変わります。
火薬を包む紙の種類を変えれば、燃え方に個性が生まれ様々な現象を知ることができるでしょう。
市販の線香花火を解体して、成分や構造を調べるのも自由研究になりそうですね。
まずは何に焦点を充てて自由研究をするのか考えてみましょう!
・紙にこだわるのなら...?
市販の線香花火の紙の重さは、0.08グラムほどだと言われています。
大きさや重さを近づけて研究をするならば、市販の線香花火を購入してみることをおすすめします。
どんな紙を使用するかも考えます。
半紙・テッシュ・トイレットペーパー・和紙・折り紙・キッチンペーパーなど、探せば日常生活の中には多くの種類が存在します。
集めた紙の大きさを統一し、重さを測った上で火種を入れて燃やせば、興味深い実験結果が得られそうですね。
・中身にこだわるのなら...?
様々な科学物質を合わせることで、炎色反応を楽しむことが可能です。
本物の火薬を使用するには条件があります。
法律で定められているので、線香花火を手作りするのなら薬品を混ぜて燃やすのが安全だと言えそうです。
硝酸カリウム
塩化カリウム
硝酸ストロンチウム
塩素酸カリウム
硫酸銅
鉄粉
硫黄
炭素(木端末・スス)
松煙
これらの薬品をバランス良く組み合わせれば、色の付いた線香花火を作ることができますよ。
例えば
10:4:3:2:3の割合で混ぜる。
赤色の花火...硝酸ストロンチウム:塩素酸カリウム:炭素:鉄粉:硫黄
4:4:2:1:1の割合で混ぜる。
紫色の花火...塩素酸カリウム:硫酸銅:鉄粉:硫黄
4:4:2:4の割合で混ぜる。
これは参考例です。
量を変えれば違った雰囲気の花火を作成できるでしょう。
薬品は混ぜる前に乳鉢などで細かくしておきます。
薬品を混ぜてから細かくしようとすると危険が伴うため注意が必要です。
乳鉢は使用する薬品の数の分を用意します。
使用後は乳鉢に薬品が残っていないか必ずチェックしましょう。
ガラス製の器は使わないでくださいね。
また、多数の薬品を使うので、吸い込みに注意し、目に入らないよう気をつけましょう。
子どもだけでなく大人も交えて行うように心がけてください。
薬品の混ぜ方などはコツがいるので、理科の先生に相談するなどし、安全に考慮して取り組んでみてくださいね。
上手く作成できれば、とても良い自由研究になりそうですね!
まとめ
夏の風物詩である線香花火は、子どもでも作成することが可能です。
ですが、火や薬品を使用するため、必ず大人と一緒に取り組んでくださいね。
上手くできれば自由研究になるだけでなく、夏の良い思い出にもなることは間違いありません。
家族や先生も交えて、ぜひ線香花火を作ってみましょう。