森に入ると日常と違った空気を感じますよね。
あの独特な香りはフィトンチッドの成分によるものだと言われています。
フィトンチッドとは何でしょうか?その香りは私達の体にどのような効果をもたらすのでしょうか?
それぞれ調べてみたので、参考にしてください。
森林浴の効果で期待されるフィトンチッドとは何?
・フィトンチッドとは?
フィトンチッドは植物から出る香りのことを示します。
その成分はテルペン類というイソプレンという物質が結合してできた化合物で、揮発性があります。植物は自身の維持と成長のために大気にこれを放出しています。
森林浴が清々しいのは、このフィトンチッドが多く漂っているからです。
フィトンチッドは旧ソ連のB.P.トーキン博士が発見しました。
チッド...他の生物を殺す能力を持つ
フィトンチッド...植物から放出される揮発成分に殺菌作用があるという意味を持っています。
これは、高等植物がケガをすると傷口を外敵から守るために、周りの生物を殺す成分を出す働きをすることからつけられた名称です。
有害な虫や菌から身を守るために、植物が作り上げた力なのだと考えられています。
他の生物を殺すと聞くと怖い印象を与えてしまいますが、フィトンチッドは私達人間に多くの恵みをもたらすことが研究で分かっています。
・森を包む殺菌効果
森の空気の良さはフィトンチッドのおかげだと分かっています。
森には動物の糞や死骸が多く含まれていますが、この成分が消臭や脱臭、さらに殺菌、防腐の効果に優れているため、森の空気は常に清浄が保たれているのです。
その力は木製品になっても有効とされ、木造住宅では森林浴と同じ効能があるとされています。
また、木製のタンスに防虫剤が不要だと言われるのは、フィトンチッドのおかげなのです。
食品の保存でも力を発揮することが分かっており、身近な桜餅、鱒寿司と言った商品の葉は、見た目の良さだけでなく殺菌防腐作用にも優れています。
キッチン用品に木製が多いのはこうした抗菌成分が科学的に良いと証明されているからなのです。
フィトンチッドという言葉のみに注目すると、難しい物質に思われがちです。
ですが、実際は日常生活に有効活用されとても身近な成分だということが分かるでしょう。
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森林浴で得られる香りの効果とは?
実際に森林浴を行なうと、どのような効能が期待できるのでしょうか。
フィトンチッドの香りがもたらす体への影響を見ていきましょう。
・皮膚・呼吸器の病状改善
・アレルギー性疾患の予防・改善
・ナチュラルキラー細胞の活性化
リラクゼーション効果は多岐に渡ります。
森林浴はストレスホルモンを減少させる作用があり、疲れた体の緊張状態を緩和します。
神経系にも影響があり、交感神経を刺激し精神的な安定を測ります。
血圧、脈拍数が下がるため、高血圧の抑制につながるなど木々に囲まれるだけで健康を保つことができるのです。
フィトンチッドの殺菌抗菌作用は皮膚、呼吸器官、アレルギーの改善など病状回復に役立ちます。
また、認知症やうつといった症状をケアするために森林療法を行なう施設もあり、森林浴の医学的なアプローチが進んでいます。
近年、免疫機能を向上させる効果が森林浴にあると分かり注目が集まっています。
ナチュラルキラー細胞はガン細胞やウイルス細胞を破壊する役割を体内で果していますが、この細胞が森林浴をすることで活性化することが分かったのです。
ある研究では、2泊3日の森林浴で、ナチュラルキラー細胞の増加が約56%みられたという報告がされています。
さらに1ヶ月後もその効力は発揮され、森林浴前と比べると23%高いことが分かりました。
森林浴から、ガンや病気から体を守るエネルギーを分けてもらっているのです。
他にも森林浴にはマイナスイオンを多量に含んだ空気を吸い込むことによる精神の安定や、小川や鳥の鳴き声など、音による癒やしの力があることが知られています。
緑色が人の心に安心感を与えるため、木々を眺めているだけでも健康に良いですよ。
森林浴は良いことだらけです。
科学的に証明された森林浴の力を、ぜひ体験しにでかけましょう。
まとめ
近年森林破壊といった環境汚染が目立つ中、改めて森林浴の良さと効能を知ることができました。
森を大切にするのは人間の健康を守ることと同じ意味合いがあります。
木々の恵みに感謝し、森に感謝する気持ちを忘れないようにしたいですね。